プラセンタにはいろいろな種類がある

ひと言でプラセンタといっても、実は原料によっていろいろな種類があります。現在市販されている商品に使われているのは馬、豚、羊といったほ乳類由来のもの、ヒト由来のもの、動物プラセンタに似た働きがあることから植物プラセンタと呼ばれている植物由来のものなどです。それぞれに特徴がありますので、理解しておけばサプリメント選びに役に立ちます。

馬プラセンタ

馬プラセンタ動物性のプラセンタのうち、馬プラセンタはさまざまな点で優れています。まず、プラセンタの中心となる有効成分がアミノ酸ですが、このアミノ酸は豚よりも馬のプラセンタのほうが300倍も多く含まれているといわれています。それだけ栄養価が高いプラセンタというわけです。また、動物性プラセンタで心配な寄生虫も馬はそもそも少ないです。馬の中でも血統がしっかりしているサラブレッドならば、代々衛生管理が行き届いた飼育環境の中で、栄養や運動に配慮されて育っているので、特に上質で安心な馬プラセンタが抽出できます。プラセンタを選ぶなら馬プラセンタを、馬プラセンタを選ぶならサラブレッドのプラセンタを選ぶことをおすすめします。

豚プラセンタ

市場に出ているプラセンタ商品はほとんどが豚プラセンタ商品です。豚プラセンタは人間の体に最も近いといわれており、ヒトプラセンタよりも栄養素を損なわずに抽出できるので、サプリメントやコスメなど非常に多くの商品で使われています。動物性プラセンタで心配な寄生虫や感染症ですが、豚プラセンタにはSPF豚を使ったものがあります。SPF豚は衛生管理がしっかり行なわれているために感染症の心配がない豚をいいます。ワクチン接種で病気予防をするのではなく衛生管理によって予防をするので、薬剤に寄る汚染がなく、本来持つ有効成分が損なわれていません。そのため、一般的な豚プラセンタよりも3倍も多くの有効成分を含有しているといわれています。

羊プラセンタ

羊プラセンタはアミノ酸の構造が人間のプラセンタとよく似ているので、豚プラセンタと同じように人間の体によく馴染むといわれています。摂取による悪い反応も出にくく、浸透性が高いので効果が出やすいプラセンタです。羊はもともと病気に強い動物で感染症のおそれが少ないことから、人間が摂取するにはよい動物性プラセンタの一つといえます。その中でも特に、ニュージーランドの羊プラセンタが衛生管理もよく安全性が高いプラセンタだといわれています。ただし、牛に狂牛病があるように羊にもスクレイピーという病気があり一部地域のプラセンタが国内では使用できないため、現在のところ羊プラセンタが商品化されているものはあまりありません。

ヒトプラセンタ

ヒトプラセンタヒトプラセンタは、人間の胎盤から作られるプラセンタです。人の胎盤を使うので最も浸透しやすいプラセンタですが、人の臓器を使うため日本では法律により医薬品としての利用しか認められていません。プラセンタ製剤を製造できるメーカーも認可を受けた数社に限定されています。クリニックなどの医療機関でのみ、プラセンタ治療のために使用できます。プラセンタ治療の方法には点滴や注射があります。プラセンタを体内に直接入れる医療行為ですから、医師の管理の下でなければ受けることができません。美容外科や婦人科の更年期障害治療などで使用されています。保険適用外の自費診療です。ただし、直接入れるぶん効果を感じやすいといわれています。

植物プラセンタ

プラセンタはホ乳類の胎盤から作られますが、植物由来のプラセンタというものもあります。これは植物の「胎座」という部分が、胎盤と似た働きを持つことから植物性プラセンタと呼ばれているものです。原料としてはクロレラやアロエ、バラやチューリップなど花のプラセンタ商品もあります。胎座は植物の発芽に関わる部分なので、赤ちゃんの生育に関わる胎盤のようにアミノ酸、ミネラルやヒアルロン酸など多くの栄養素が含まれています。動物性プラセンタのような感染症の心配もなく、安心して使えるのもメリットです。ただし、植物由来ですから、動物性プラセンタと全く同じ栄養素を持つわけではなく効能も異なります。別のものとして利用するほうがよいでしょう。